土壁と外壁リフォーム
土壁は冬期でも塗って塗れないことはないのですが・・・
もし凍害を受ければ著しく脆弱なものとなります。
このような当時の技術的知識の一端を窺わせるものでしょう。
しかしそれよりも注目されるのは、当時、前参議従二位民部卿の地位にあったこの高官の邸宅において、壁工事が未完成のままでともかく居住に堪えたということです。
ここに壁塗が番匠・桧皮師と並んで賜禄の対象とされたとはいいながら、当時の寝殿造的建築物における土壁の量的あるいは視覚的な位置づけをおおむね推測することができるでしょう。
つまり、寝殿造は外部に対して開放性が強く、内部の間仕切も現在の住宅に較べればもちろん、中世後半からしだいに形を整えてくる書院造に比しても極端に少ないのです。
このような建築物で外見上、壁が目立つのは清涼殿に見るようにせいぜい鴨居上の小壁だけで、今日考えるほどの量ではありません。
これはまだ外壁リフォーム技術などがなかった頃の話です。